猫でもわかるWeb開発・プログラミング

本業エンジニアリングマネージャー。副業Webエンジニア。Web開発のヒントや、副業、日常生活のことを書きます。

科学の勉強とモバイルバッテリーの火災

最近、リチウムイオンバッテリーの火災が増えているという話を聞く。

最近の「バッテリー」ととばれるものは100%「リチウムイオンバッテリー」と言っていい。リチウムイオンバッテリーは名前に「リチウム」と入っていて、リチウムが使われていることは明らかだが、この「リチウム」は化学では「非常に危険な物質」と習う。水にリチウムを入れると大爆発する。

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このように学校教育が日常に生きることはよくある。特に、僕の学校ではリチウムが爆発する様子を見せてくれたので、危険なのがわかりやすかった。

しかし、このように勉強が日常生活に役に立つことがある*1というのがわからないと、勉強は意味ないと思ってしまったりする。

ちなみに、リチウムは水をかけると爆発するので、リチウムイオンバッテリーが燃えた時に水をかけるのは危険な行為である。みんなよく知っている消火器には、水消火器、粉消火器など種類があり、火災の種類によっては使ってはいけない消火器もあるので注意が必要だ。

また、リチウムイオンバッテリーはエネルギーをいっぱい持っているので危険だ、という話もある。基本的にエネルギーを持っているものは危なくて、例えば早く走る車は多くのエネルギーを持っており、危険である。エネルギーは物理で習うが、物理の方が科学よりもっと身近だ。

ただ、物理でエネルギーの勉強はするが、「エネルギーが大きいものは危険だ」とか「こうするとエネルギーが効率よく使える」みたいな。日常に生きる話は意外とされない気もする。こう言った小話があるだけで勉強はとても面白くなる。

リチウムイオンバッテリーはエネルギーをいっぱい持っていて危険だ、という話をしたが、実際どれくらい危険なのだろうか。

例えば、僕の持っている Anker のモバイルバッテリーの容量は 20,000 mAh (ミリアンペアアワー)である

mAh という表記がわかりづらいが...順番に説明していきます。

まず、エネルギーの単位は J(ジュール)である。電気の単位で W(ワット)というのがあるが、1W の電力で1秒間電気を流したら 1J である。モバイルバッテリーの 20000 mAh という表記は、 3.7ボルトの電圧で 20000mA の電流が1時間流せるだけのエネルギーを蓄えることができる、ということらしい。

計算が面倒なので4ボルトとする。20000 mA は 20A(アンペア)である。ボルト x アンペア = ワットなので、80W。

このモバイルバッテリーは 80W の電力を 1時間流せることになるので、80W x 3600秒 = 28.8万J(ジュール) となる。電圧を少し盛ったので、28万J ということのする。

ここで体重60kgの人間を考えます。この人間が速度v (m/s)で移動している時のエネルギーが (1/2) x 60 x v2 となります (有名な 1/2 mv2 ってやつですね)大体 v = 100 の時、1/2 x 60 x 10000 = 30万J となるので、さっきのモバイルバッテリーと一緒ですね。

v = 100 m/s なので、体重60kgの人が秒速100mで移動した場合のエネルギーが、モバイルバッテリーのエネルギーと同じになります(計算が間違っていたら誰か指摘してください)。

秒速100mで移動する人間、危険すぎますよね?

ということは、モバイルバッテリーもこれくらい危険だよ、ってことを認識しないといけないわけです。

ではモバイルバッテリーがめちゃめちゃ危険かと言われると、そうでもなくて、早い車も、秒速100mの人間も、ぶつからなければ危険ではないですし、安全運転すれば大丈夫ということです。

モバイルバッテリーをゴミ収集車に捨てるということは、秒速100mで動く体重60kgの人間をゴミ収集車に突っ込ませることくらい危険ということで、みんなしっかり物理や科学を勉強して、地球を安全にしていってほしいなと思ってます。

※実際にはいろんな要因があるので、モバイルバッテリーを捨てることと、と秒速100mの人間をゴミ収集車に突っ込ませることは全く一緒ではありません

まとめると、学校の勉強は役に立つので、学生は勉強すること、教える方はもっと興味が湧くような教えかたができるといいね、という話でした。

*1:どんな知識も必ず役に立つわけではないが