問7 次の散布図は,全国52都市における,2018年6月の,1世帯当たりのバナナとりんごの支出額を表したものである。
〔1〕2018年6月の1世帯当たりのバナナの支出額とりんごの支出額の相関係数はいくらか。次の1~5のうちから最も適切なものを一つ選べ。
この系統の問題はよく出るが、実際の値が出てないので、カンで近いものを選ぶことになります。
りんごの支出額が増えるにしたがって、バナナの支出額も増える場合は、正の相関
りんごの支出額が増えるにしたがって、バナナの支出額も減る場合は、負の相関があります。
なんとなく、グラフの点が右上がりになっているか、右下がりになっているかで判断できます。
今回の場合は、右上がりでも右下がりでもないので、相関はなさそうです。そこで、0に最も近い 0.023 が正解となります。
〔2〕仮に,すべての都市で,7月の1世帯当たりのバナナの支出額は6月の2割増し,りんごの支出額は6月の1割増しになったとする。このときの1世帯当たりのバナナとりんごの支出額について,次のI~IIIの記述を考えた。
I.7月のバナナの支出額の分散は6月のそれの1.44倍になり,7月のりんごの支出額の分散は6月のそれの1.21倍になる。
分散は、平均値との二乗誤差の平均で、すべての値が2割増 = 1.2倍になると、分散は 1.22 増えます。よって、 I の記述は正しいです。
II.7月のバナナの支出額とりんごの支出額の共分散は,6月におけるそれの1.32倍になる。
共分散は、分散と考え方が似ており、片方が 1.2倍、片方が1.1倍になると、 1.1 * 1.2 = 1.32倍になります。よってIIの記述は正しいです。
III.7月のバナナの支出額とりんごの支出額の相関係数は,6月におけるそれの1.09倍になる。
相関係数は以下の式で求められます
この中で、分母の部分は 1.2 * 1.1 倍になります。
分子の部分は、左が √1.22 倍 = 1.1倍、右が同様に 1.1 倍になります。
つまり、相関係数は変わりません。
当然ですが、バナナの支出額が一律2割増になったりしても、正の相関や負の相関のあるなしには影響を与えないので、相関係数は変わらないということになります。