猫でもわかるWebプログラミングと副業

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AWS CDK と CDK for Terraform 比較 実際のプロダクトで使ってみた

はじめに

AWS CDK と CDK for Terraform、どっちを使うか非常に迷います。

私も気になっていたので、実際に仕事で使ってみて、比較しました。

これは 2023年7月時点での比較です。開発速度や、開発方針によって、評価が変わってくる可能性があります

AWS とそれ以外(Google Cloud 等)を混ぜて使う場合は?

最初にこのポイントについて把握しておいたほうがいいです。

そもそもAWSを使わない場合(Google Cloud をメインに使っている場合など)、AWS CDK は選択肢に入らないので、CDK for Terraform を選択するしかありません。

では、 AWS と Google Cloud を混ぜて使っている場合はどうなのか。この場合は、

  • CDK for Terraform 1つに絞ってもいいし、
  • AWS CDK と CDK for Terraform を混ぜてもいい

と思います。

CDK for Terraform (以下 CDKTF)を使ったほうがラクと思う人もいるかもしれませんが、結局 CDKTF の中では、AWS と Google Cloud を分けて管理することになります。

技術スタックが統一できて、環境構築も1回で済むし、管理がラクになるメリットは大きいですが、 「CDKTF + AWS CDK の混成」という選択肢も試す価値アリだと思います。

AWS CDK には便利なライブラリがついている

以下のページが参考になりますが、AWS CDK は基本的に L2 というので記述していくことになります。

qiita.com

あるいは、一部標準的な構成が L3 として用意されていて、それを使うこともあります。

僕が特にお世話になったのは、VPC と、 ECS 周りです。

この記述量が減ることが AWS CDK を使うことの一番のメリットです。

ただし、内部で何が作られているのかはしっかり把握する必要があります。使わないリソースが作成されて無駄に課金されたり、意図にそぐわないリソース構成になっていたりなど。

ある程度のカスタマイズはできるようになっていますが、会社独自のルールで特殊な構成を使いたい、オンプレミスの環境をそのまま再現したい、とにかくお金を節約したい、といった特殊な状況では、 AWS CDK のメリットが受けられない場合もあります。メリットが受けられないだけで、AWS CDK が使えないわけではないので、 AWS CDK を採用するデメリットはとくにないですが。

AWS CDK 実行時の IAM 管理が複雑

Tarraform は Terraform の実行者がリソースを作成するのに対して、AWS CDK は、変更内容が AWS CloudFormation に送られ、 CloudFormation がリソースを作成します。

これにより、AWS CDK では IAM 管理が複雑になります。

AWS CDK 実行ユーザーが AWS の管理者なのであれば、必要に応じて権限を追加すればいいのですが、IAM が厳重に管理されている組織もあるとと思うので、利用を検討する際には、一回 AWS CDK を実行してみるといいと思います。

どっちのほうがデプロイが速い?

私が使った感想では、どっちもそんなに速くはないです。

CDKTF については、スタックが大きくなると、synthesize(TypeScript → terraform への変換)が遅くなるという話を聞いたことがありますが、TypeScript のコンパイルが遅いのであれば、AWS CDK でも同様に遅いはずで、

私の使っている限り、CDKTF の synthesize が格段に遅いということはなかったのですが、AWS CDK については、それなりのスタックサイズにするとそれなりに遅いので、

速さについてはそこまで気にすることではなさそう、というのが私の感想です。これは規模によりけりですし、計測が難しいところではあるので、あくまでも感想になってしまいますが、、、

AWS CDK のほうが AWS 謹製だからいいのでは?

私もそう思っている時期がありました。

AWS CloudFormation という AWS 上に乗っている機能を使っているので、なにか優れた点があるはずだ。例えば、 AWSコンソール上から CloudFormation スタックの詳細を見られるとか!

実際は、得にメリットを受けたことはないので、気にする必要はなさそうです。むしろ Terraform のほうが AWS の新機能への対応は早い印象ですし。。。

ドキュメントの充実さ

公式のドキュメントはどちらも充実していますので、利用するのに困ることはなさそうです。

AWS CDK と CDK for Terraform の利用者数の比較ですが、 AWS CDK のほうが先に出ていたたこともあり、AWS CDK のほうが多そうです。

ただし、CDK for Terraform は、中身が Terraform のため、 Terraform の知見がそのまま使えることが多いです。

AWS CDK も中身は CloudFormation なのですが、AWS CDK と CloudFormation とは別物といっても良いレベルなので、あまり参考になりません。

ということで、ネット上の記事などは Terraform のほうが充実しています。 AWS CDK はまだ情報が少ない印象です。

まとめ

以上、私が AWS CDK と CDKTF を両方使って思ったことでした。

  • AWS を使う場合は AWS CDK が第一選択肢
  • AWS CDK と CDK for Terraform の混成にするのもアリ
  • とりあえず両方使ってみて、使い心地のいい方を選択する
  • AWS 謹製だから良いというわけでもない
  • 個人的には CDK for Terraform が好き

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