オブジェクトストレージを使う目的
オブジェクトストレージとは、 AWS S3 みたいなやつだ。
単にデータを保存するだけの目的から、ホスティング(静的ファイルの配信)にまで使える。
LGTMoon で画像を保存&配信するのに、オブジェクトストレージを使う必要があったので、なるべく安く画像を配信すしたい。
比較したオブジェクトストレージ
- AWS S3
- Wasabi
- ConoHa オブジェクトストレージ
- DigitalOcean Spaces
AWS S3 はみんなご存知だと思うが、それ以外について説明しておく。
Wasabi の概要
Wasabi は、アメリカの Wasabi Technologies が提供するオブジェクトストレージ。「わさび」という名前は日本語っぽいが、海外の会社である。
日本は NTT PC という会社が仲介するような形でサービスが提供されていて、東京リージョンも存在している。
ConoHa オブジェクトストレージの概要
ConoHa は GMO が提供するオブジェクトストレージで、GMO は日本の会社である。
DigitalOcean Spaces
DigitalOcean はアメリカの企業で、基本的なサービスの内容は AWS と同じ。
DigitalOcean Spaces というのが、 AWS S3 と同等のものにあたる。
AWS に比べたらサービス数は少なく、日本リージョンも無いが、AWSより安価で使える。
比較ポイント
- 料金が安いところを探したい。
- 画像の配信をすることから、通信料金が安い所が良い。
- 利用するストレージ容量は 50GB 以内程度
ざっくり比較
サービス | ストレージ料金(月額) | 通信料金 | その他 |
---|---|---|---|
AWS S3 | $0.023 / GB | $0.09 / GB | 開発時の参考文献は多くて安定 |
Wasabi | 1TB以内なら一律834円 | なし | 参考文献少ない・日本語非対応 |
ConoHa | 100GB あたり 450円 | なし | 日本企業 |
DigitalOcean | $0.02 / GB | $0.01 / GB | 日本リージョン無し、日本語非対応 |
各サービスのメリット・デメリット
AWS S3
最初に AWS S3 を利用したが、月額 $20 (2200円ぐらい)とかなり高額で、S3から他のサーバーへの移行を決心した。
- ❌とにかく通信料金が高すぎる
- ❌日本語ドキュメントは読みづらい
- ❌IAMの管理などが複雑
- ⭕ストレージは $0.023 / GB => 100GB あたり 250円くらいなので、そこまで高くはない
- ⭕調べると参考文献や実装が大量に出てきて、実装で詰まることは無い
- ⭕安定の AWS でおそらく障害耐性は一番強い
- ⭕terraform に対応している
Wasabi
最終的には S3 から Wasabi に移行することにして、実際に使ってみたので、その上でメリット・デメリットを書きます。
- ❌参考文献が少ない。ググって出てくる情報は少ない。
- ❌NTT PC の Web ARENA というサイトを経由してログインする必要があるが、これが非常に面倒くさい
- ❌ストレージサイズが1TB〜なので、そこまでストレージを使わない場合は割高
- ❌AWSのように課金額がすぐにわからない
- ⭕Webの管理ツールなどの使い勝手は結構良い
- ⭕ユーザーとかポリシーの仕組みはAWSを踏襲していて馴染みがある
- ⭕ストレージ単価は激安
- ⭕通信量に課金が無い
- ⭕日本リージョンがある
ちなみに、1TBを超えたぶんはGB単位で課金されます。
ConoHa オブジェクトストレージ
今回100GBを超えないため、一番安いはずなのですが、インタフェースが非常に使いづらくてやめました。
- ❌WebのUIは使いづらい
- ❌インタフェースが全体的に使いづらくて非常に分かりづらい
- ❌100GB超えるとWasabiのほうが圧倒的に安い
- ❌ConoHa 自体はS3互換ではない
- ⭕日本企業なので安定感ある
- ⭕通信量に課金が無い
- ⭕100GB未満であればWasabiより安い
- ⭕海外リージョンは無い
DigitalOcean Spaces
- ❌日本語ドキュメントは無い
- ❌日本リージョンが無い
- ❌AWSほど参考文献が豊富ではない
- ⭕基本的な使い勝手はAWSと似ている
- ⭕料金も確実にAWSより安い
- ⭕サーバーとか、マネージドなDBとか、基本的なものは DigitalOcean で全部提供されているので、 DigitalOcean に一本化ができる
まとめ
最終的に、通信量が安いところかつ、使いやすさでwasabiを選びました。
通信量がかからないのであれば AWS が安定です。
とにかく安くしたい場合は Wasabi
サーバーからDB、オブジェクトストレージまで全部一つのサービスで完結させたいなら DigitalOcean がおすすめです。