なぜスクラムを導入するのか
なんとなくスクラムを導入したいと思っている人は多いかと思いますが、適当にスクラムを導入してもうまくいきません。
個人的に、スクラムを導入してうまくいくには以下のポイントが重要かと思います。
- チームの抱えている問題点がある
- スクラムについて最低限の理解がある
- なぜスクラムの導入によって問題点が解決するのか考える
チームの抱えている問題点がある
スクラムを導入するチームが抱えている問題として、例えば
- 知識の属人化が激しい
- 見積もりが不正確で納期に間に合わない
- プロダクトが完成しない
などがあります。
問題点がなにもないのに今やっている手法を変える必要はないと思います。
スクラムについて最低限の理解がある
結局一番大事なのは、この後に述べる「スクラムでどうやって問題を解決すか」なんですが、そのためにはスクラムの最低限の理解が必要です。
本を1冊くらいは読んでおいたほうがいいでしょう。
なぜスクラムの導入によって問題点が解決するのか考える
これまでの2つはここに来るまでのベースであって、ここが結構重要です。
例えば、「スクラムを導入した結果属人性が排除された」という話はよく聞きます。しかし、属人性を排除したくて、何も考えずスクラムを導入しても何も変わりません。
スクラムで属人性を排除できる理由はいくつかあります。例えば、
- タスク見積もりを全員で行うので、全員の知識が深まることで属人性が排除される
結局のところ、スクラムの中の特定のパートによって、結果的に属人性がなくなるのです。スクラムの中には「属人性の排除」の関係の無いパートもあります。
ここを理解していないと問題解決という目的を達成できません。属人性の排除をしたいのに、タスクの見積もりは特定の一人が行い、スプリントレビューやデイリースクラムを実行することにだけ力を入れても仕方がないのです。
スクラムといったら、スプリントレビューやデイリースクラムを想像しがちですが、実は「タスクの見積もりを全員で行う」だけで良いのかもしれません。
重要なのは、問題にたいして、その問題を解決するために、「スクラムの中のどこに力を入れて実行するのか」あるいは「スクラムのどのエッセンスを取ってきて利用するのか」です。いきなり完璧な形のスクラムを導入するのは不可能なため、チームの現状に合わせて、まずはどこから力を入れて実践していくのか、を判断したり、時には特定の部分は捨てる判断も必要ではないかなと思います。
そしてここのベースになるのが、「問題点の理解」と「スクラムに対する理解」ナノではないかなと思います。
参考書籍
スクラム実践入門
僕は技術評論社の『スクラム実践入門』を読みました。すこし分かりづらいところもありますが、全体的に内容は平易で、スクラムについてよくわかっていない人でも読めると思います。
また、「どのような問題点を抱えているチームが、どのようにスクラムを導入して、どこように改善するか」というヒントが多数含まれているので、かなり実践向きな内容になっているのが良いです。
読んだ感想は下記の記事に書いてあります。
また、スクラムに関する記事もいくつか投稿していますので参考にしてください。
その他
他にも『アジャイルザムライ』など書籍は多数あるので、なにか一つ読んで見ると良いかと思います。
- 作者:Jonathan Rasmusson
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
- 作者:Mike Cohn
- 発売日: 2009/01/29
- メディア: Kindle版